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切手で綴る医学の歴史
2008.11.25
切手1000余点で医学の歴史に足跡を残した偉人を網羅
「医学テーマチク郵趣の決定版」


安室芳樹著


切手で綴る医学の歴史
 古来、病気から救われることは、人々のもっとも重大な関心事のひとつでした。日本で一番信仰を集めた仏像のひとつは、人々の病気を治し、寿命を伸ばしてくれる薬師如来がであったといわれますが、それも充分に納得されることです。
 さて、ここでご紹介する「切手で綴る医学の歴史」の著者・安室芳樹さんは、現役のお医者さん。本の題名が示す通り、医学切手の収集家でもあり、医学をテーマにした切手作品で、数々の賞を受けています。
 その安室さんが、切手やはがき、消印、メータースタンプなど、1000点以上のコレクションを駆使して、医学の歴史を語ったのが本書です。 
 ページを開くと、第1章の古代の医学に始まり、中世、近代、現代の医学まで、病気と闘ってきた人類の壮大な歴史が、各頁にちりばめられた切手ほかのコレクションを挿図に、とうとうと語られていきます。
 それにしても、よくもまあ!と驚いてしまいます。というのは、本文で語られるほとんどの内容に、コレクション品が対応しているからです。そのため、各頁の切手を見ていくだけでも、おおよその医学の歴史が辿れてしまうのです。さすが、医学切手収集の第一人者ではあります。
 それに、わたしたち日本人の読者にとって楽しいのは、第4章です。登場するのは、北里柴三郎、華岡清洲、野口英世、森林太郎(鴎外)、鈴木梅太郎、高木兼寛、秦佐八郎、利根川進などなど。江戸期に始まる西洋近代医学の急速な吸収、日本医学の成長と世界的な発見の数々が語られ、日本の医学の歴史にも目を開かせられます。
 本書を読むと、人類にとって、いかに医学が大きなものだったかが実感されてなりません。今年もまた、インフルエンザの流行がささやかれる季節になりましたが、やはり頼れるのはお医者さん。近くの病院で診察を受けるときなど、お医者さんのの背後に古代からの医学の歴史を感じてしまいそうです。

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