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ピーチズ・エン・レガリア(ややもすると入信しそうなわたしですがなにか)
2008.10.31
ちょっとしたしがらみで、ピアノの発表会に行くことになった。

わたしが小学校の時に書いた「おピアノのお発表会」という作文は、色々な意味で傑作だった。
担任の女教師はわたしを膝の上に乗せて、こんなに可愛らしい作文を読んだのは生まれて
初めてだよと耳元で囁いた。
先生の口元からやけに甘ったるい匂いがしてわたしは吐きそうになったし、お母さんには言っ
ちゃいけないことなんじゃないかと子供心に思った。 言っちゃったけど。
ホールのロビーで約束通り花束を渡すと、女の子は少し照れてかわいいねと言った。
花言葉は『自由の敵に自由を許すな』 うそだけど。
17歳年下のこの少女が、出番まで時間があるのでケーキを食べに行こうとわたしを誘う。
なんとも中途半端なお店で中途半端な栗のケーキを頬張る少女の口数は多くはなかった。
緊張してるのかなと思っていたら、スプーンを天井に突き上げながら訊いてきた。

なんて曲? 誰これ?    

ザッパ。フランク・ザッパ。 テリー伊藤みたいでしょ、この曲。

なんだかウケる。

「あなたさ、客を眠らせて気持ちいいの?」わたしからバッハを取り上げたピアノ教師。セブン
スターを吸っていたピアノ教師。親に復讐してやるんだと言っていたピアノ教師。

ザッパってラモスじゃないですよね。

楽屋口に向かう少女に声をかける。スカート気をつけなよ。みえちゃうよ。

終わったら吉祥寺でごはん食べたい、あの野菜炒め。

いいよ。昨日行ったばかりだけど、いいよ。

今までに自分がした一番卑怯なこと、教えてね。と、ちっちゃくちっちゃく手を振った。


ゆんちゃん

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