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米国に初めて黒人の大統領が生まれたそうじゃな。日本では大統領候補の政策の違いより...

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ブータン ─世界切手国めぐり─
2008.08.05
国づくりに励むヒマラヤの小王国 ブータン

●…ヒマラヤの温帯
 エベレストやマナスルなど、8000メートル級の高い山々の連なるヒマラヤ山脈に対しては、とかく雪と岩に挑む山男たちの世界…のイメージを抱きがちです。

 しかし、世界の屋根といえども、麓もあり、中腹もあります。インドの北、チベットの南にあるブータンは、ブラマプトラ川の流れるアッサムの平原から、ヒマラヤの山頂までを国土とする、面積4.7万平方キロメートル、スイスほどの小王国です。
首都ティンプーをはじめ、主な都市は、いずれも最も住みやすい中腹の盆地に立地しています。

 ティンプーは北緯27度ほど。ほぼ沖縄県北部の緯度にあたり、本来ならば亜熱帯の真っただ中になります。しかし、千数百メートルの高原盆地にあるため、そこは温帯。第二次大戦前の日本の田舎にどこか似た、のどかな風景がみられます。そこからさらに登れば、切手でも紹介された初夏に美しい花をつけるシャクナゲの群落に出会うのです。

●…照葉広葉樹林文化
 日本列島の中央部は、植物地理学的にみて、全北区のシナ・日本区系に含まれます。ヤブツバキで代表される照葉広葉樹林のある植生は、中国の中・南部を通って、さらにヒマラヤ山脈の中腹に細い帯のようになりながら、西へ向かってのびています。ブータンの中部には、こうした日本から続く照葉広葉樹林がみられます。

 このようなことから、ブータンには、とくに第二次世界大戦後、日本から多くの文化人類学や文化地理学の研究者が出掛け、彼の地の人々の協力を得ながら、その伝統文化の比較研究を進めてきました。
 切手にもみられるように、どことなく日本人に似た顔立ちのためか、ブータンの人たちは大変親日的。日本とはいろいろな文化交流が進められています。

ブータン
Kingdom of Bhutan

面積:4万6500k㎡
首都:ティンプー(2万7000人))

国  旗
人口:167万人('94年))
住民:チベット系のブータン人60%、ネパール人25%など
言語:公用語はチベット系のゾンカ語。ネパール語、英語など
宗教:チベット仏教が国教 チベット仏教75%、ヒンズー教25%
資源:森林、水資源、石灰岩
通貨:ヌルタム。インド・ルピーと等価。

ブータン地図

●…近代化を目指して
 ブータンの人口は170万ほどですが、その7割近くはチベット系の人たちで“チベット仏教”とも呼ばれるラマ教の信者です。もっとも、この国の南部には、ヒンズー教徒のネパール人が住んでおり、両者はとかく対立的です。

 ブータンは、一時チベットに併合されたこともありましたが、20世紀のはじめに、当時インドを統治していた英国の力で分離独立しました。
 第二次世界大戦後、インドが独立を達成すると間もなく、中国共産党の人民解放軍がチベットに武力侵攻して全土を占領し、伝統的な仏教寺院を破壊するなど暴挙が繰り返されました。このような中で、やがてチベット仏教の最高位にあるダライ・ラマがインドに亡命します。ちょうど、ブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」から間もなくの時代ですが、この頃からブータンは中国の支配下にあるチベットとの国境を閉し、インドとの関係を深めていきます。
 開明君主といわれるドルジ・ワンチューク国王が1972年に逝去されると、若年の皇太子ジグメ・シンゲ・ワンチュークが父王の意志を継いで伝統文化を守りながら、近代化路線を踏襲します。

 ただ、切手でもたびたび紹介される日本のドテラのような民族衣装の強制着用だけは、若い人たちやネパール系の住民には、なかなか受け入れられないようです。
 インドと中国の二つの大国に挟まれたブータンは、この理想主義的な若き国王の指導によって、次第に近代化が進んでいますが、その国づくりの様子は、切手からもうかがうことができます。

●…切手の変遷
 ブータンの一番切手は1962年。郵便配達夫や国王などを描いたもので、当初国内用に発行され、間もなく国際郵便にも使用されるようになりました。それまでの永い鎖国を解いて、まず切手が国際舞台に登場したと言えましょう。

 60年代の前半は、伝統的な民族文化や風景などを紹介したものが中心でしたが、なぜかやがてブータンとは無関係なテーマのものが次々とあらわれるようになり、とくに、70年代に入ると、レコード切手を初め、泰西名画やディズニーまんがなどの乱発が続きます。
 しかし90年代に入ると、次第に発行政策は健全になり、切手は数少ない自国紹介のメディアとして、世界各国に、この山国からの多様な情報を発信するようになりました

変わりだね切手
変りだね切手 ブータンのレコード切手
▲ブータンレコード切手
 国歌を吹き込んだレコード切手や国王の肖像を描いた金貨様の切手などを、一部のフィラテリストは「変わりだね切手」と呼んできた。発行当初は、収集家目当てに奇をてらったものとして『スコットカタログ』などではほとんど無視されていたものであるが、最近は結構な評価がつけられている。

 確かに、かつては第三世界の国々が発行するバナナや国土の形をしたセルフのり切手さえ、子どもだましの切手として、正統派のフィラテリストからは見向きもされなかったものである。

ところが、日本でも3月にはグリーティング切手として、これに近い変形切手が発行される。切手に対する関心が、もはやフィラテリストにとどまらず、〝一般の〟切手を使う人々にまで広がってきた結果なのだろうか。

 これはあたかも、絵画が一部のコレクターや正統派の鑑賞者から大衆に解放され、いわゆる〝ポップ・アート〟が誕生したのと機をいつにするものかもしれない。
ブータン 自然との調和(セルフ糊)CD付切手
▲自然との調和(セルフ糊)CD付切手
動く映像と音でブータンの自然、山岳地方の人々の暮らし、産業、国教であるチベット仏教の行事などを紹介。ナレーションは英語。

CDにはほかにもいくつかのチャプターがあり、ブータン切手のチャプターではブータンがこれまでに発行した“世界初”切手(香りつき切手、レコード切手、スチール切手など)の紹介やCD切手発行についての解説をスチール画像と英語解説文で紹介。
ブータン 君主制100年(セルフ糊)CD付切手
▲君主制100年(セルフ糊)CD付切手
各国王の時代の貴重な歴史映像。ナレーションは英語。
この国の切手はこちら
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