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おうちで日本美術館
2010.06.17
スタンプマガジン人気連載が単行本として刊行!
田辺龍太著 日本郵趣出版刊
☆6月27日付「日本経済新聞」、7月4日付「読売新聞」各読書欄で紹介されました!
田辺龍太・著
『おうちで日本美術館』 日本郵趣出版刊
切手とミュージアム・グッズで、身近におうちで日本美術を愉しむ!
そんなユニークな本が登場しました。
著者は、財団法人切手の博物館の学芸員、田辺龍太(たなべ・りゅうた)さん。現職に就く前は、美術展のカタログやミュージアム・グッズの制作に携わっていたという、切手とミュージアム・グッズ双方に精通した専門家です。こうした経歴を持つ田辺さんでなければ書けなかった、これまで出版されたことのない異色の日本美術入門書、それが『おうちで日本美術館』です。
「切手は小さな美術館」と、よく言われるように、切手には国宝や重要文化財に指定された美術作品が、数多く登場します。切手は、作品のもっとも魅力的な部分をクローズアップし、図案にしているため、日本美術への最良の導き手ともなっているのです。
本書に掲載された「鳥獣戯画」、「源氏物語絵巻」、「秋冬山水図」(雪舟)、「風神雷神図屏風」(宗達)、「夏秋草図屏風」(抱一)ほか、豊かで多彩な日本美術切手は、国家が発行した切手ということもあって、そのときどきの最高の印刷技術で刷り上げられ、美しい光彩を放っています。
それらの日本美術切手を見ていると、切手に印刷されたのは、作品のどの部分なのだろう?と、ついつい思ってしまいます。しかし、国宝作品はつねに公開されているわけでなく、大冊の美術全集を揃えるわけにもなかなかいきません。
そこで、おすすめしたいのが、本書で切手とともに取り上げられているミュージアム・グッズ。実は本書では、参考図版以外はすべて、切手とミュージアム・グッズだけで構成されているのです。
実際に、本文をご紹介しましょう。
「えっ? これって実作品じゃないの?」と思われる方も多いのでは。
図版の脇に記された「縮小絵巻」や「縮小屏風」の説明がないと、実作品と思い込んでもおかしくはありません。こうした縮小絵巻や縮小屏風は、サイズこそ違え、細部は実作品と区別が難しいほどに丹念に制作されたものなのです。
著者の田辺さんは、ミュージアム・グッズの制作に携わっていたころ、縮小絵巻や縮小屏風を低く見る人がいて、残念に思っていたといいます。例えば、国宝絵巻の展覧会では、いつも展示ケース越しにしか、絵巻を眺められません。ケースの中に広げられた絵巻は、担当の学芸員の方がここぞという場面を示してくれているに違いないのですが、全体像は見られず、また、参観者の人波に押され、その場で長く鑑賞することもできません。
そんなとき、ミュージアム・グッズは、いつでもどこでも自分の好きなときに自分のすきな場面を鑑賞することを可能にしてくれますし、美術館の学芸員同様、自らの手で国宝絵巻や名作屏風を愉しむことができるのです。
切手やミュージアム・グッズには、美術鑑賞の広がりがあります。
著者の田辺さんもこう語っています。「展覧会だけが美術を愉しむ場ではないと思うのです。むしろ、日常生活の折々に“美”を愉しみ、そこから明日につながる充実した時間を感じていただきたい。そのように本書『おうちで日本美術館』を読んでいただければ、著者として本望です」
みなさんも、『おうちで日本美術館』を存分に愉しんでみてください。
附記)本書の表紙は、切手と手紙が大好きなイラストレーター、木下綾乃さんが手掛けています。著者の田辺さんが、自分の思いを絵で表現してくれるように木下さんにお願いし、素敵な表紙ができあがりました。
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