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ボツワナ -世界切手国めぐり-
2010.05.07
南部アフリカのツワナ族の国 ボツワナ


●…カラハリ砂漠の拡がり

 リンポポ川を挟んで、南アフリカ共和国の北隣にあるボツワナの国土は60万k㎡、日本の1.6倍にあたります。しかし、その位置が丁度中緯度高圧帯にあたるため、乾燥地帯が広がり、西隣のナミビアから続くカラハリ砂漠が国土の南部を被っています。周囲の高原や山地には或る程度の降雨がみられ、バオバブなどの樹木がまばらに生えるサバンナが広がり、国土の中央部は全体として盆地状をなしています。

●…ツワナ族の国

 ボツワナには170万ほどの人々が暮らしていますが、その大部分はバンツー系黒人のツワナ族。《地理シリーズ》の切手にもみられるように、牧畜を中心に生活しています。国名は《ツワナ族の国》を意味するとか。もっとも彼等がこの地に定住しはじめたのは17世紀頃からで、それ以前はブッシュマンと呼ばれたサン族が住んでいました。彼等はツワナ族に追われ、今も南部の乾燥地帯を中心に独自の自給的な生活をしています。
 
 とはいえ、ツワナ族の人たちもそれほど平穏な日々を過ごしていたわけではありません。とくに19世紀には、ボーア戦争の余波で、英軍に追われたボーア人の侵入を受けたからです。そのため彼等は“敵の敵”である英国に助けを求め、その保護を受けることになります。英領時代の切手にみられるように、この地域の正式名称が《ベチュアナランド保護領、BECHUANALAND PROTECTORATE》とあるのはそのためです。
 
 なお、保護領の南方には、かつて《英領ベチュアナランド、BRITISH BECHUANALAND》がありました。この地は1895年に現在の南アフリカ共和国の一部になります。アパルトヘイトの激しかった頃、《ボプタツワナ》のバンツースタンができたのもこのツワナ族の居住地域でした。

ボツワナ共和国
Republic of Botswana

面積:58.2万平方㌔㍍
人口:171万人(2002年)
首都:ハボローネ(21万3000人)
ボツワナ国旗
国  旗
住民:ツワナ族のほか、カランダ族、ムブクシュ族
言語:公用語は英語、ほかにセツワナ語など。
宗教:キリスト教、伝統宗教
資源:ダイヤモンド、銅、ニッケル、石炭
通貨:プラ
ボツワナ地図
●…豊かな地下資源

 切手でも紹介されましたが、この国のとくに東部は豊かな地下資源に恵まれています。1967年にはオラバ地区でダイヤモンドの大鉱山が発見され、開発が進められてきました。また、ニッケルなどの埋蔵も知られており、今後の開発が期待されています。

●…切手の変遷

 一番切手は1888年。前述の英領ベチュアナランドの切手に《保護領、PROTECTORATE》を加刷したものでした。正刷切手は1932年。ジョージ5世の肖像の入ったもので、バオバブの木と牛の群を描くものでした。本格的な《地理シリーズ》は、エリザベス女王の肖像の入ったもので1961年のことです。'66年には早速、独立後の一番切手が発行され、以後は健全な発行政策によって、動植物や国づくりの様子と共に、伝統文化が紹介されます。とくに注目したいのは、先住民のサン族が残したものと思われる岩壁画です。乾燥地帯の国なのに、水鳥や水草を描いた切手もよく見かけますが、もちろんこれらもボツワナの自然に取材したものです。


夜空4種/ボツワナ
夜空 4種/ボツワナ
2009年11月18日発行

星(天空にキリン)、流れ星と水場のゾウ(弓矢を持つ人)、月と星(踊る人)、日食(チーター)。
この国の切手はこちら

国めぐりこぼれ話
オカバンゴ・デルタ │開発か自然保護か│

 国土の周辺に比較的雨の多い高原や山地がみられ、中央部に乾燥した盆地のみられるボツワナには、奇妙な湿地がある。しかもそこには独特の生態系が展開している。最も代表的なものは北西部のオカバンゴ湿地であり、通常《オカバンゴ・デルタ》と呼ばれている。
 
 北西のアンゴラの山地から流れ出したクーバン川やその支流は、この盆地まで流れ込むと、もはや海へ流れ出すことがなく、この盆地の一角に巨大なオアシスを形成することになる。切手でも何回か紹介されたこの大湿地は浅い沼地で、おびただしい野生動物が群がっている。豊かな魚介類を餌にアフリカヘラサギやハサミアジサシなどが繁殖し、ワニやカバまで棲息している。もちろん魚介類はこの地方に住む人々にとっての大切なタンパク源でもある。
 
 最近、この湿地の水を農業用水や都市の水道、工業用地に利用しようとする開発計画がもちあがっている。これに対し、多くの自然保護団体との間で、激しい論争が起き、環境問題に関心をもつ世界中の人々がその成行きを見守っている。

※このコーナーは「続・世界国めぐり」(2004年刊行)から引用しています。 
  内容が現在と異なる場合があります。
この記事が掲載されている本はこちら です

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