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「切手が伝えるマリアの図像学
2010.01.23
小杉 健

切手で知ろうシリーズ7
「切手が伝えるマリアの図像学
-色・顔・形の検索図鑑-

切手が伝えるマリアの図像学
 本書はおそらく、日本で初めてのマリア像切手図鑑でしょう。掲載されたマリアの切手は366枚。一日一枚のマリア切手に祈りを捧げても、一年間分の枚数が収録されています。

 マリア像はキリスト教圏の中心的な画題です。本書に登場するマリア像には、切手のためのオリジナルな図案もありますが、多くの有名な絵画、彫刻が含まれています。

 そうした意味で、本書は美術および美術切手愛好家にとって、必見の1冊でしょう。

表紙にもなっている1954年ザール発行の3種、デューラー、ラファエロ、ホルバインに始まり、ジオット、ダ・ヴィンチ、ボッティチェリ、ミケランジェロ、フラ・アンジェリコ、ジョルジョーネ、コレッジョ、デル・サルト等のイタリア絵画。ルーベンス、ファン・アイク・メムリンク等のフランドル絵画。また、ムリョリョ(スペイン)、ラ・トゥール(フランス)といった画家たち。さらには20世紀に活躍のダリのマリア像まで加えられています。

 そのうえ、各地の聖堂に祀られているマリア彫刻、ステンドグラスのマリア像、ヴィザンチン美術のマリア壁画像などなど、本書は、キリスト教誕生以来、描き継がれてきたマリア像の百科事典的な様相を呈しています。

 ちなみに、本書では、キリスト教に造詣の深い著者・小杉さんによって、信仰(祈るマリア)、希望(王座に座すマリア)、愛(情愛のマリア)という、キリスト教の中心的価値観に結びつけられた図像分類が行われています。タイトルの「図像学」は、そうした図像分類を意味するもので、簡単に言えば「何がどう描かれているか」に注目し、分類がなされています。

 ただし、さすが専門家らしく、素人にはちょっと難しい分類なのですが、でも大丈夫。百聞は一見に如かずの言葉の通り、ページごとに図像分類された美しい切手を見れば、それぞれのテーマは一目瞭然。これほど多様な図像表現で、マリア像が描かれてきたのかと、誰しもが驚かされること間違いありません。

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