
みずみずしい水彩画と風景印が誘う
日本の町並みスケッチ紀行
*ご好評につき、受付終了いたしました。
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| 岸本信夫さん(★)新聞社で長い間、外勤の記者を勤めてきました。やがて、他人の記事をチェックするデスクというポストに就きましたが、創造的な仕事としては、なんだか少し物足りない。それがスケッチを始めるきっかけでした。また、ちょうど45歳という年齢でしたので、仕事以外に趣味を持つことも大切かな、と思ったものでした。 | |
| 編集部(☆)古くからの町並みに惹かれたのは、どんな理由からでしょう? | |
| ★ スケッチで各地を訪ねるようになって、地方の町では若者が都会に出てしまった結果、とても疲弊し、古い町並みが消えつつあるのを知りました。私自身が地方の出身者ですし、郷愁を感じるというのも、町並みにこだわる理由でしょうね。 | |
| ☆ 具体的にはどんな町並みですか? | |
| ★ 歴史的町並みは、かつて繁栄しなかったところには残っていません。ですから、その町を繁栄に導いた産業との関連性が、色濃く残っている町並みに興味をひかれます。「奈良井」など宿場町なら旅籠、「白川郷」など農村なら養蚕農家、「伏見」などお酒の産地なら酒蔵といった具合。焼きものの産地も好きですね。 | |
| ☆ 全国のスケッチ紀行のなかで、とくに印象に残った町並みというと? | |
| ★ 一番印象に残っているのは、岡山県の山の中にある「吹屋」でしょう。どうしてこんな山深いところに、こんな立派な町並みがあるのだろう、という意外性があります。木の格子などに塗る「べんがら」の産地として栄えたそうです。旧中山道の宿場だった「奈良井」も、あれだけ大規模に古い家並みが残っている宿場はほかにないし、あの地方独特の建築様式も興味深いですね。 | |
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| ☆ 岸本さんの絵には、古い町並みに対する慈しみを感じます。実は、各地の郵便局には風景印という消印があり、岸本さんのスケッチと同様の町並みがよく図案になっています。 | |
| ★ 風景印は初めて知りましたが、郵便局員さんたちの我が町への誇りや郷愁が伝わってきますね。 私は絵を描くということより、スケッチしながら過ごす時間や、その町の人との出会いとか、会話といったものを大切に思っています。 歴史的町並みを活用した町おこしというのも、一つのブームのようですが、道路や建物といったハード面を整備するより、家々の玄関に花を生けるとか、 意匠を凝らした暖簾を出すといったソフト面のもてなしがあると、住んでいる方の温かい心を感じます。やはり、人々の生活がなければ、町並みとはいえませんね。 |
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| ☆ ほんとうに同感です。岸本さんのスケッチと風景印があいまって、素晴らしいコレクションになると確信しました。ちなみに、町並みを描こうと思う場所は、どのようにお決めになるのですか? | ![]() |
| ★ 国が選定した「重要伝統的建造物群保存地区」を参考にしています。また、主要街道の旧道をたどってみるのも面白いですね。司馬遼太郎の「街道をゆく」を読み、実際に出かけたこともあります。ただし、旧東海道の宿場は、完全に都市化の波に飲み込まれてしまっていて別なのですが…。歴史的町並みにとっての最大の敵は、過疎化と都市化です。 | |
| ☆ ところで、屋外のスケッチは大変でしょう? お困りなったことは? | |
| ★ スケッチで一番困るのは雨です。とくに遠くへ出かけて雨になると、もうどうしようもありません。暑さ寒さもつらいですが、夏は日影探し、冬は日向探しで何とかしのいでいます。私のアトリエには屋根がありませんから、1年中でスケッチしていて気持ちの良い季節は、ほんとに短いですね。でも、夏の暑い日にそよっと涼しい風が吹いてきた時などは、祖母から聞いた「極楽の余り風」という言い方を思い出します。 | |
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| ☆ ご自身の体験から、読者のみなさんに、「定年後の趣味」について、語っていただければと思います。 | |
| ★ 定年になったら絵でも始めるか、という言い方をよく聞きます。しかし、もともと趣味というものは忙しい時にやるから気分転換になり、本業にも熱が入るというものだと思います。また、継続は力という言葉があるように、熟練するにはある程度時間が必要ですし、熟練すれば楽しさも増します。その点からいえば、早めに、仕事が忙しいうちに趣味を見つけるべきだと思います。 私がスケッチを始めたのが45歳で、その時、「定年まで15年間も助走期間がある」、「15年も助走すれば、その勢いで定年後に勢いよく飛び出せるはず」と考えました。結果論ですが、幸いに助走で息切れもせず、定年後の今も、スケッチ紀行が最大の楽しみになっています。 ☆ 本日はありがとうございました。 |
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| ※ 岸本さんにはリーフの解説もお願いしており、スケッチ紀行の数々のエピソードも綴られる予定です。どうぞコレクションをお楽しみに。 | |
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