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日専を読み解くシリーズ「旧小判切手」
2009.08.25
「旧小判」始めたい方にも 究めたい方にも「旧小判切手」に惹かれる全ての方に。

日専を読み解くシリーズ「旧小判切手」

日専を読み解くシリーズ「旧小判切手」
 みなさんは「お雇い外国人」をご存じでしょうか。
「お雇い外国人」とは、明治初期に欧米の先進技術や制度を導入するために雇用された欧米人のことです。本書で取り上げている「旧小判切手」は、そんな「お雇い外国人」の一人であった、イタリア人のエドワルド・キヨッソーネの指導により、当時最先端のヨーロッパの精密な印刷方式を用いて印刷された切手です。キヨッソーネは、紙幣や切手製造のために、印刷産業の先進国ドイツの印刷会社から指導者として招かれたのです。

 こうして、明治9~12年(1876~79年)にかけて、5厘から50銭までの17種類の切手が発行されました。長方形の枠の中に、楕円形が組み込まれたデザインは、この切手が発行された明治時代中期、ヨーロッパ各国で、切手をはじめ、各種ラベル、食料品や石鹸といった商品パッケージのデザインに多数用いられていた、言わば、流行のデザインでした。そして、「大日本帝国郵便」とその英文“IMPERIAL JAPANESE POST”が表記され、欧米の切手のように、どこの国の切手なのかが、はっきりと分かるようになりました。また、楕円の外側四隅に、「車輪」や「スクリュー」、「気球」などを描いたものもあり、欧米に近づこうという、この時代の文明開化の風潮、殖産興業政策の機運を感じることができます。ちなみに、この「旧小判切手」の12銭は、世界で最初に「気球」を描いたものです。
 「小判切手」と呼ばれるようになったのは、中央の楕円形の図案が、江戸時代に使用された金貨の「小判」に似ていたためでした。また、明治21~25年(1888~92年)に新しい10種の小判切手が発行されたことから、この本で取り上げている、先に発行された17種類は、「旧小判切手」と呼ばれています。

 本書は「第一章 総論」「第二章 各論」「第三章 番付」と三つの柱で構成されています。「第一章 総論」では「旧小判切手」とはどういう切手なのかを色々なアングルからとらえ、「第二章 各論」では全17種のそれぞれの切手を解説し、最後の「第三章 番付」では文字通り相撲の番付になぞらえ、「旧小判切手」中の“お宝切手”が紹介されています。さらに、ちょっと視点を変えたコラムや、「小判切手の用語解説集」も付いています。

 「旧小判切手」の図案の部分の大きさは、わずか横19ミリ×縦22.5ミリです。しかし、調べれば調べるほど奥が深いのが、切手の世界です。本書は簡潔な文章で、さらに色々な切手や封筒、図案や表・グラフ等を多数用いて、「旧小判切手」の全容が分かり易く解説されています。今まで「小判切手」を知らなくても、興味を引かれた方にはどなたにでも、ぜひお勧めしたい1冊です。
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