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NHK『美の壺』切手 アート鑑賞マニュアル
2009.07.25
みなさん、NHKテレビの「美の壺」って、 ご覧になったことがありますか?
アート鑑賞マニュアル
NHK美の壺 切手
NHK美の壺制作班編
みなさん、NHKテレビの「美の壺」って、ご覧になったことがありますか? 暮らしのなかに隠れたさまざまな美を紹介する、新感覚の美術番組です。今年の3月までは谷啓さんがナビゲーターを務め、4月から草刈正雄さんに引き継がれました。谷さんのひょうきんな案内役も良かったけど、草刈さんもなかなかに味があります。
昨年9月5日放映分では、「切手」の美が取り上げられ、このたび書籍として刊行されました。
この番組では、さまざまな美を三つのツボから紹介していますが、「切手」の場合は以下のごとくです。
■切手の美・壱のツボ…大胆なレイアウトに秘密あり
■切手の美・弐のツボ…小さなキャンバスに彫刻の冴あり
■切手の美・参のツボ…限られた色が創る無限の世界
壱のツボは、たとえば、原画に描かれた上空の気球をレイアウトで大胆にカットした、切手趣味週間切手「気球揚がる」(中村岳陵画)。いわく、『原画のどこを切り取るかによって、切手の印象は大きく変わる。考え抜かれたデザインの妙味を味わう』
弐のツボは、凹版彫刻の世界に遊びます。戦後最高の名手といわれた押切勝造さんの第2次国宝シリーズ「東照宮陽明門」をとりあげ、凹版彫刻の精緻にスポットを当てます。いわく、『切手の中に築かれた重厚な建築。荘厳な世界に思いを馳せる。』
参のツボは、至高の輝きを見せる美術作品を、限られた印刷色によって再現する技に迫ります。たとえば、近代美術シリーズ第2集、日本画家・速水御舟の傑作「炎舞」。その赤々と燃えさかる炎と漆黒の闇を、切手の印面に再現する技。いわく、『方寸の世界 ? 「切手」の彩りは、限られた色数で、絶妙に表現される』
テレビ番組の書籍化に当たっては、放映映像の一部を用いながら、独自の美しいカラー写真のページが組み合わされています。その写真は、本書の巻末に解説を執筆している、切手の博物館学芸員・田辺龍太氏いわく、「かつて、父親の書斎の机にふと切手が置いてあったなあって、そんなことを想い出させるような」写真です。
田辺さんの解説も、分かりやすく、楽しく、切手への愛に満ちています。切手収集のユニークで素晴らしい入門書が誕生したのだと思います。長く収集を続けられている皆さんも、ぜひご一読をおすすめします。本書をひもとくと、切手の美に最初に感動した新鮮な思いが、ページの中から羽ばたいてくるに違いありません。
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