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麗しき日本絵葉書100の世界
2009.04.25
明治から戦前昭和に至る、アンティーク絵葉書の多彩な姿を100のジャンルにさぐり、名品1300以上を収録した、絵葉書ガイドの決定版!
●絵葉書は発行所・原画作者・時代・評価のデータ付き!
●巻末解説「日本絵葉書の歴史と特徴」で絵葉書通に!
●絵葉書関連の「ショップ&ミュージーアムガイド」も掲載!
■日本郵趣出版刊 ■生田 誠・編著 ■A5判/並製・240ページ
「こんな美しい絵葉書が、日本にあったのか!」
東京・目白の切手の博物館で、今年1月に開催された「麗しき日本絵葉書」展を訪れた方々は、口々に驚きの声を挙げていました。そこに展示されていたのは、明治後半から昭和初期にかけての、日本のアンティーク絵葉書の美品、およそ500点。
この展覧会と同時進行で企画・制作され、4月20日に発行された新刊書、それが『麗しき日本絵葉書 100の世界』です。展覧会で展示された絵葉書を厳選し、さらに多様な分野を加え、収録された絵葉書の枚数は、なんと1300枚以上。絵葉書ガイド本として、これほどの枚数を収録した書籍はかつてありませんでした。しかも、どれもが名品揃いですので、ページをひもとけば、次々と繰り広げられる麗しき、かつ多種多彩なアンティーク絵葉書の世界に、展覧会で飛び出したのと同じ驚きの声を、きっとみなさんも挙げられることでしょう。
近年、アンティーク絵葉書が静かなブームを呼んでいます。というのは、戦前の何気ない大衆文化と思われていたアンティーク絵葉書が、実際にそれらを目にしてみると、1枚、1枚の質がきわめて高く、デザイン性に優れ、加えてありとあらゆるものを映し出す多様な世界だということが、多くの方に知られてきた結果なんです。
本書は、そうしたアンティーク絵葉書の名品を選りすぐり、100のジャンルに分類し、以下の大項目ごとに収録しています。
1. アート&デザイン 2. 美女・子供・動植物
3. 年賀&暑中見舞 4. 広告・産業
5. 風 景 6. 交通・通信
7. 風俗・その他
たとえば、アート&デザインでは、明治のアール・ヌーヴォー美人画絵葉書や昭和のアール・デコ美人画絵葉書を筆頭に、戦前日本の豊かでクリエイティブな表現を目にすることができます。藤島武二や岡田三郎助、鏑木清方や浅井忠といった、後の洋画・日本画の大家たちも絵葉書に積極的に作品を寄せていますし、もちろん竹久夢二や杉浦非水を中心とする画家やデザイナーたちの、大正ロマンの抒情絵葉書も楽しむことができます。
そして、上に揚げた大項目をご覧いただければ、お分かりのように、絵葉書に扱われているのは、アート&デザインだけではありません。モノクロームの写真に淡彩を施した、手彩色(てさいしき)の美人写真絵葉書を目にすれば、笑いかけてくる美女たちの魅力についつい惹き込まれてしまいますし、鉄道ファンをはじめ、乗り物に興味のある方は、交通・通信の項目に収録された、鉄道、船舶、飛行機・飛行船、自動車などの絵葉書を、見逃すわけにはいかないでしょう。また、絵葉書最大のジャンルである、各地の風景絵葉書の中では、かつての美しき日本の懐かしい風景をめぐることができます。
すでにお気づきかも知れませんね。実は戦前の絵葉書文化は、江戸時代の浮世絵とよく似た性格を持っていました。浮世絵がそうだったように、絵葉書は、その時代ごとの人々の趣味や流行といったあらゆる興味を、写真とイラストで鏡のように映す文化だったのです。
同時に、アンティーク絵葉書は、日本の近代とリアルタイムで歩んだ文化でもありあました。そこには、その時代々々の女性や子供たちの姿の推移、産業の興隆や衰退、同時代の交通機関の発達、資生堂やカルピスといった企業広告の変遷、サンドイッチマンといった都市の風俗の折々の様子などなど、社会のすべてが生き生きと映し出されています。
すなわち、本書の1枚、1枚に目を通していくとき、そこには、私たちの祖先が体験してきた近代社会の喜怒哀楽が、浮かび上がってくるのです。本書は、その意味で、ビジュアル版の日本近代文化史としても、楽しんでいただける1冊であります。
どうぞ、本書『麗しき日本絵葉書 100の世界』の豊かで、多彩な世界をご覧になり、私たち自身の過去の貴重な文化遺産を体験し、絵葉書のなかから漂ってくる、時代ごとの匂いに接してみていただきたいと思います。
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